やっぱりあった! EMCノイズ対策のコツ ~知ってるのと知らないのでは大違い~ その5に続いて、EMCノイズ対策のコツのお話です。
ノイズ対策としてよく採られる方法がバイパスコンデンサ(通称パスコン)の挿入です。ノイズをグラウンドに流し込んでしまうという作戦です。でも、パスコンを入れたのにノイズが全く減少しない、それどころか、増えてしまうということもあります。
「パスコンの共振周波数もちゃんと考慮してあるし、このノイズの周波数なら間違いなく通ってくれているはずなのに・・・。 それでもEMI試験に通らない、なんでだ~?」、なんていう経験も一度ではないかもしれません。
それでは質問です。
狙い通りにノイズがパスコンを通ってくれたとして、その後、そのEMIノイズさんは一体どこに行かれているのでしょうか?
グラウンドに流れ込んで「消えた」のでしょうか?
パスコンは容量素子であるため、インピーダンスの実部を持ちません。つまり、減衰することがない訳です(現実には寄生抵抗である程度減衰します)。
そうすると、パスコンを通ったあとのEMIノイズさんは、どこか回路中のどこかをうろうろしているということなのです。
これは、フィルタでも同じことです。
フィルタではじかれたEMIノイズは、確かにフィルタの向こうにはいかなくなったのですが、フィルタの手前をうろうろ・・・。
あ~怖っ!
パスコンやフィルタを入れることで、EMIノイズの問題が収まることは多いのですが、うまくいかないときは、エネルギーが減衰せずにうろうろしているノイズさんが悪さをしている可能性も考えた方が良いのです。
そのようなEMIノイズへの対策は、インピーダンスの実部、つまり「抵抗を」加えることです。Rを加えることで、ノイズのエネルギーを奪い、減衰させるのです。
そのような回路をスナバ回路と呼びます。
#014 EMI対策 ~パスコンの効果を上げたい? Rさまのお出ましだ~
にも書いていますので、併せてご覧ください。
EMIノイズ対策は、このような基本を守りながら行いますと、確実に効率が上がりますので、是非読んで参考にしてみてくださいね。
なお、当Webページでは、EMI対策についてヒントとなることをたくさんの記事にしています。
なかでも、「電子回路設計ヒントPLUS」と、YouTube動画が、きっとご参考になると思いますよ。
また、ご自分で様々な対策をした上で、どうしてもEMIノイズが抑えられないときは、当社までご相談ください。お問い合わせは無料です。
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