周波数帯域とは
入力信号に対して、-3 dB減衰するポイントです。使用しているオシロスコープの周波数帯域に「DC~500 MHz」と規定があれば、“このオシロスコープは500 MHzで3 dB減衰しますよ。”という意味になります。 例を挙げて説明すると、500 MHz帯域のオシロスコープで500 MHzの1 Vp-pのサイン波信号を観測すると、0.70 Vp-pの電圧が観測されるということです。 したがって、オシロスコープの周波数帯域が高ければ、入力信号の周波数に対して、オシロスコープの周波数特性がフラットな特性範囲内で観測できる可能性が高まります。サンプルレートとは
アナログオシロスコープが一筆書きで波形を表示するのに対して、デジタルオシロスコープでは一定の間隔でデータを抽出し、その瞬間のデータを表示し、表示されたポイント間を結び波形を構成します。サンプルレートはそのポイント間の比率のことを言います。 サンプルレートが1 GS/s(ギガ・サンプル/秒)と500 MS/s(メガ・サンプル/秒)では、500 MS/sの方が2倍のサンプリング間隔でデータを抽出していることになり、荒い波形に見えてしまいます。逆に言うと、サンプルレートが高いほど、密なサンプリングポイントで表示されるため波形の正確性の向上に繋がります。 上記の『周波数帯域』と『サンプルレート』が、これまでオシロスコープについて特に注意してきた仕様になります。 そしてもう一つ、今後パワー半導体を測定していく中で注目している仕様は垂直軸分解能になります。合わせて垂直軸分解能について説明しておきます。垂直軸分解能とは
名前のとおりになりますが、オシロスコープのスクリーンにおいて電圧や電流を測定する垂直軸側の分解能のことになります。使用しているオシロスコープの垂直軸分解能の項目に8 bitと表記されていれば、フルスケールのレンジに対し28、すなわち256分割した値が垂直軸分解能になります。例を挙げて説明すると、フルスケールが1000 Vのレンジであれば256分割した約4.0 Vが垂直軸分解能になります。 垂直軸分解能の性能が高ければスイッチング波形測定時にオン電圧も精度良く測定できるようになります。垂直軸分解能に注目しているのは上記が理由になります。 パワー半導体の分野ではスイッチする瞬間の電気的振る舞いを確認することが非常に多く、スイッチング動作時に十分な周波数帯域やサンプルレートを有しているオシロスコープでなければ、正確なスイッチング特性を測定することが困難になります。 以上、ご紹介させていただきましたように、パワー半導体の評価には専門的知識と適切な測定環境が必要ですので、もしお困りごとがありましたら、経験豊富なエンジニアがいる弊社へお問い合わせください。 また、今回はスイッチング特性評価(動特性評価)に関するオシロスコープについてお話しをしましたが、静特性評価や信頼性試験の対応も可能です。こちらについてもお気軽にお問い合わせください。 最後までお読みくださいましてありがとうございました。 【関連リンク】- 「パワーモジュール」評価サービスはこちら
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