みなさんこんにちは。高周波デバイス設計課の藤井です。
高周波の仕事でたまに遭遇する問題として「整合ずれ」があります。これは「50Ωに整合するように回路設計したはずなのに実際に作ってみたら回路インピーダンスが40Ωになっていた」というようなことです。
この状態では、回路の接続部で反射電力が生じることになり、回路本来の性能をフルに発揮させることができません。
(当社の高周波(RF)の対応実績はこちら)
また「5GHzでインピーダンス整合するように設計したのに、5GHzでは整合がとれていなくて4.5GHzで整合がとれている」ということもあります。これは「周波数特性ずれ」とも呼ばれるもので、実際に動作させたい5GHzでは性能が出ないという困った状態です。
私たちが普段扱っている高周波アンプでもこのような問題が起こることがあります。
高周波アンプで使う増幅素子のインピーダンスはほとんどの場合50Ωではないので、増幅素子の性能をフルに引き出すためにはインピーダンスを50Ωに変換する整合回路を設計することが必要です。整合回路は増幅素子の製造メーカーから提供される素子のインピーダンスデータなどを元に設計します。その後に設計した整合回路を含む高周波アンプを製作するわけですが、この時に特性を見ると整合ずれが起こっていることがあるのです。
これってなんで起こるのでしょうか?
この原因として考えられるのはいくつかありますが、その一つとして「整合回路が設計どおり作られていないのでは?」ということが考えらえます。
例えば、
- 整合回路を構成するキャパシタやインダクタなどの実装位置がほんのちょっと設計値からずれている
- 寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスが設計段階できちんと考慮できていない
などです。
これらの要因によって設計時に考慮していない余計な寄生成分が回路にのってしまい、ほんの少し設計したものとは異なる回路になって整合がずれてしまう、というわけです。
これ以外にもさまざまな「ほんの少し」の違いが整合ずれにつながることがあります。周波数が高くなればなるほど「ほんの少し」が特性に効いてきますので、このあたりが高周波を扱う上でのポイントの一つだと思います。
整合ずれが起こった場合でも、考えられる原因をいくつか想定し整合回路の動作を頭に描きつつ検討していけば、ほとんどの場合解決できるのではないかと思います。
本日のお話は以上です。
弊社には高周波回路の経験豊富なエンジニアが多数在籍しておりますので、お困りの際はお気軽に声をおかけください。
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