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スミスチャートとは? ~きちんと知ると便利です~(その2)

みなさん こんにちは。テクノシェルパ技術コンサルタントの河野です。

前回のブログ・スミスチャートとは? ~きちんと知ると便利です~ではスミスチャートとは何なのか簡単にご説明いたしました。今回は抵抗、キャパシタ、コイルを使ってスミスチャート上およびアドミッタンスチャート上のインピーダンスおよびアドミッタンスを動かしてみましょう。

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スミスチャートはインピーダンス(ZR+jX)をプロットするものです。あるインピーダンスZに直列に①抵抗、②コンデンサ、③コイルを各々接続した場合、スミスチャート(図1)上ではそれぞれ次のような軌跡を描きます。(今回はZ=25-j25[Ω]としています。図1の▲がその点です。)

① 直列に抵抗を接続した場合

リアクタンス成分は変化しないので、等リアクタンス円上を抵抗が大きくなる方向(紫の矢印方向)へ動きます。

② 直列にCを接続した場合

抵抗成分は変化しないので、等抵抗円上を反時計回り(赤の矢印方向)へ動きます。

③ 直列にLを接続した場合

抵抗成分は変化しないので、等抵抗円上を時計回り(緑の矢印方向)へ動きます。

図1

 

次にアドミッタンスチャートをご説明します。アドミッタンスはインピーダンスの逆数であり、Y=1/Zです。アドミッタンスもインピーダンス同様に実部と虚部を持ちます。アドミッタンスの実部はコンダクタンスと呼ばれ、記号Gで示されます。その虚部はサセプタンスと呼ばれ、記号Bで示されます。すなわち、YG+jBであり、いずれも単位はジーメンス(S)です。

あるアドミッタンス(Y)に並列に①抵抗、②コンデンサ、③コイルを各々接続した場合、アドミッタンスチャート(図2)上で次のような軌跡を描きます。(今回はY=0.02+j0.02 [S]としています。図2の▲がその点です。)

④ 並列に抵抗を接続した場合

サセプタンス成分は変化しないので、等サセプタンス円上をコンダクタンスが大きくなる方向(紫の矢印方向)へ動きます。

⑤ 並列にCを接続した場合

コンダクタンス成分は変化しないので、等コンダクタンス円上を時計回り(赤の矢印方向)へ動きます。

⑥ 並列にLを接続した場合

コンダクタンス成分は変化しないので、等コンダクタンス円上を反時計回り(緑の矢印方向)へ動きます。

図2

 

また、このスミスチャートとアドミッタンスチャートを重ね合わせたものをイミッタンスチャートと言います。こうしてイミッタンチャート上で①~⑥の組み合わせにより、つまり抵抗/コンデンサ/コイルを直列や並列接続することで思い通りの軌跡を描くことが可能となります。

次回はこの応用例として、あるインピーダンスから所望のインピーダンスへの移動についてご説明します。

※スミスチャート解説動画をご覧ください。

 

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