みなさん、初めまして。WTI高周波設計第一課長の橘高です。
私たちの課は、課の名前が示すように無線通信における高周波技術に特化した技術サービスを行っています。高周波は「波」です。当社の「Wave」はこの高周波の「波」も指しているんですよ。しかし、この高周波って、意外とわかるようでわからないものなんですね。今日はこの高周波について少し述べさせていただきます。
(当社の高周波(RF)の対応実績はこちら)
実際に『高周波』と聞くとピンとこない方も多いと思います。
Wikipediaで調べると『高周波(こうしゅうは)とは、電波、音波など、波形を構成するスペクトラムのうち比較的周波数の高いものを指す。』とあります。これだけだと???ですよね。
では『無線(通信)』という言葉は皆さん聞いたことがあるのではないでしょうか。
インターネットやパソコンと周辺機器を接続するのに用いられる無線LAN、自動車の衝突防止システムに用いられるレーダ、スマートフォンや携帯プレーヤーの音楽を聴くためのワイヤレスヘッドホン、某大手鉄道会社さんの交通系ICカード、テレビ、ラジオ・・・、これらの日常生活に欠かせない多くのものに無線が使われており、これらの情報のやり取りに高周波は使われています。
非常に多くのところで使われているにも関わらず、世間の認知度が低く話も伝わらないという、ちょっと悲しい仕事でもあります。(私自身も知人に仕事の内容を説明する時に『携帯電話の○○を作っている』と何度も言っています。これの方が明らかに伝わりやすいですので・・・)
『高周波』の認知度が低い理由を考えたときに、私の経験からふと思いついたのが、『見えない挙動を扱うので、非常に理解しにくい分野』なのかなという点です。私も20数年間この仕事に携わっていますが、入社して当分の間は”?“のオンパレードでした。 今に至ってもまだ理解できていないことの方が多いですが(笑)。
私が見えない『高周波』について、概念をおぼろげながら理解できたきっかけは、“音”でした。
空間を伝わる振動が、自分の鼓膜を介して伝わる事で、音として認識します。いわゆる音波ですね。
この音波にも低い音から高い音があって、例えばモスキート音と呼ばれる音波では、さらに高い音のため年齢や鼓膜の衰えにより聞こえない人もいます(私もかなり聞き取りにくくなってきました)。すると、人には検知できない波が存在するという実感が沸きました。
また音の高さの違いとは何だろうと考えたとき、振動数いわゆる周波数の違いだと気付きました。
結果的に私に感じられない(見えない)波が存在し、この波の周波数がある領域を超えたときに『高周波』と呼ばれるようになるのだと割り切って考えられるようになりました。
周波数を表す単位としては、Hz(ヘルツ)が用いられます。
私たちの課で扱っている主な周波数は1GHz近辺から一部数十GHzまで取り扱っております。
G(ギガ)とは10の9乗という意味で、1GHzなら1秒間に10億回振動している波のことを指します。(高周波は無線通信だけでなく、医療、工業など様々な分野で使われています。その分野によって高周波と判断される周波数は異なりますので、ご注意下さい)
話は戻って、これまで話しをしてきた音波とは、空気や水などの媒体が振動することで音を伝える役割をしています。
これに対し私たちの主な仕事である無線通信の分野では、電波が情報を伝えるという作業を担っており、この電波の特徴を活かして各種情報をやり取りしています。ちなみに電波の特徴とは、電気(電界)と磁気(磁界)の相互作用で空間を伝わることができるということで、このあたりが目に見えないと思えるもう一つのポイントだとも言えますね。
伝わる原理は異なりますが、音波と電波には、反射や干渉、共振などを起こすなど共通点は多く、入社したての私のような全く経験のない方にも、理解の補助になるかと思います。
今回は社名に入っている『Wave』 = 『波』から高周波のお話をさせていただきました。私たちの会社では、高周波に携わる部署として、私どもの課ともう一つの課があります。ここと連携し高周波に関する独り言としてブログを更新していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
WTIの高周波・無線に関する技術紹介はこちらをご覧ください。
WTIメールマガジンの配信(無料)
WTIエンジニアが携わる技術内容や日々の業務に関わる情報などを毎週お届けしているブログ記事は、メールマガジンでも購読できます。ブログのサンプル記事はこちら
WTIメールマガジンの登録・メールアドレス変更・配信停止はこちら
WTIの技術、設備、設計/開発会社の使い方、採用関連など、幅広い内容を動画で解説しています。