そこで、半導体メーカのパスコンの推奨容量が仮に0.1μFであれば、0.1μF のCを1個入れて、対策完了。と思いきや、全然ノイズ対策に効いていないということがあります。 容量の大きいコンデンサは、Cが大きいことに加えて一般的に直列寄生L成分も大きいため、LC共振回路の共振周波数が低くなっており、対処できる周波数が低いのです。 LC共振周波数よりも上の周波数では、パスコンとして機能せずに、Lとして機能してしまいます。その結果、ノイズをグラウンドに逃がせないのです。
ですので、パスコンは「大は小を兼ねない」のです。
容量の異なるパスコンを複数組み合わせて、それぞれのLC共振周波数をずらすことで、広い周波数範囲に亘って低インピーダンスにすることが、パスコンを機能させるために極めて重要です。
ただし、複数のパスコンを組み合わせる場合は、コンデンサ同士による並列共振(反共振と呼ぶ)に注意が必要です。この反共振が起こるとコンデンサ一つの場合より、特定周波数で電源GND間のインピーダンスが高くなってしまいます。この反共振を防ぐには、組み合わせる静電容量の間隔を10倍以内にすることが大切です。