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WTIが社員教育で重視する原理原則理解とは?

みなさんこんにちは。WTI 技術教育センター長の森です。

前回の私のブログ「WTIの新人教育、ただいま真っ最中![18年度バージョン]」でご紹介した今年度の新人達は、配属から約3ヶ月が過ぎようとしています。今は各人が実務の「いろは」、つまり基礎を学んでいる段階です。彼らが、様々な障害に負けずに少しずつ力を付けながら成長していく様子は、当社の新人育成システムの中で確認することができます。彼らのこれからの成長が楽しみです。

さて、今回のブログでは、新人教育とも関連する原理原則理解についてお話ししたいと思います。

以前のブログ「実りの秋、人の実りは努力の賜物、肥やしは教育システム」でも、原理原則理解はハードルにぶち当たったときにこれを乗り越える原動力として大切であることをお伝えしましたが、今回は実際の回路を例にとり、少し詳しく述べてみたいと思います。

みなさんは、回路の基本法則は何か?と聞かれて、なんと答えますか? そう、オームの法則ですよね。電気をかじったことがある人には常識です。また、中学の理科にも出てきますので、多くの人に馴染みのある法則と言えるのではないでしょうか。

このオームの法則とは、『抵抗Rに電流Iが流れていて、Rの両端の電圧(電位差)がVのとき、V=IRで表される。』というものですよね。式を変形して、電流Iを求めたり、抵抗Rを求めたりと、大活躍の法則です。

それでは、この基本法則を題材に原理原則理解について述べていきます。

図1.抵抗1本の回路(SW:ON)

図1の回路について考えてみましょう。図1の回路は、電源電圧Eが5 V、抵抗Rが100 Ωで、抵抗Rの下にはスイッチSWがありますが、ここではONしています。

それでは、この回路に流れる電流Iを求めましょう。
オームの法則から、

が簡単に求まりますよね。

では、続いて図2の回路について考えてみましょう。

図2.抵抗1本の回路(SW:OFF)

図2の回路は、図1の回路のスイッチSWがOFFの回路です。このSWの両端の電圧Vbcは何ボルトになるでしょうか?以下から選んでください。

ア.ゼロボルト
イ.不定(電圧は定まらない)
ウ.5 V

みなさん、おわかりですか?
正解は、ウの5 Vです。

やった!正解だった!という方も当然おられると思います。では、なぜウになるのかみなさんは説明できますか?この説明ができることが、オームの法則を理解する上で一番大切なんです。

それでは、考え方の一例をご紹介しましょう。(ちょっと堅苦しくなりますが、しばし我慢の程を。)

SW:OFFであきらかなのは、電流Iが流れないということです。ここで電流Iが流れなくても、あえてオームの法則を考えてみましょう。考えるのは、難しそうなSWについてではなく、抵抗Rについてです。

図3.電流ゼロの回路のオームの法則

抵抗Rの両端の電圧Vabは、オームの法則から、

Vab=IR

です。そして電流Iがゼロ(SW:OFF)なので、

Vab =0[A]・100[Ω]=0[V]

となります。EVabVbcの和で、Eは5Vなので、

EVabVbc 

5[V]=0[V]+Vbc

よって、

Vbc=5[V]

となります。

こうしてSW:OFFのときのSW両端の電圧Vbcが5 Vであることが導かれました。

いかがでしたか?
SW:ONのときは、オームの法則で簡単に答えられたのに、SW:OFFとなったとたんに、感覚だけでアやイを選んでしまったり、ウと答えたけどオームの法則が頭から消えていませんでしたか?

原理原則に基づきオームの法則を理解するとは、「電流が流れると抵抗には必ず電圧が発生する」ことや「抵抗に電圧を加えると必ず電流が流れる」ということであり、これを踏まえて回路を読み解けるということなんですね。
原理原則を理解して回路動作を読み解く力が身につくと、未経験の回路であっても同じ考え方でどんどん読み解くことができるようになります。

今回は最も基本的なオームの法則を例にとり、回路を原理原則レベルまで掘り下げ理解する大切さについてご紹介させていただきました。回路に限らず、原理原則や基礎の理解にもう一歩踏み込んで力を付けていくことが大切なんだと思います。そうした努力の積み重ねが、技術を面白く楽しくすると思います。

当社ではこのような育成方針の下、オリジナル教育プログラムを通じて、技術の面白さを感じてもらいながら力を付けてもらうことができます。

現在当社では、新卒採用もキャリア採用も随時行っていますので、非電気・電子系学科の方も、もちろん電気・電子系学科の方も、やる気がある方なら大歓迎です。当社の新卒採用中途採用の各ページからご応募ください。

また、こうして培った教育ノウハウをお客様の社員教育に役立てていただくために、新サービスブランド『テクノシェルパ』の技術者教育サービスとしてご提供しております。興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。

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テクノシェルパ

『技術者不足の時代、技術者は「雇う」から「創る」へ』

 

 

 

 

 

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