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RL78マイコンについてご紹介します。

RL78マイコンってどんなマイコン?

システム設計課の林ですこんにちは、システム設計課の林です。
今回はRL78マイコンについて紹介させていただきます。
RL78はルネサスエレクトロニクス株式会社の製品で、多数のペリフェラルを搭載した低消費電力の8/16ビットマイコンです。
RL78は数々の特徴を持っていますが、大きな特徴としては低消費電力と幅広いポートフォリオがあげられます。
1.低消費電力
通常動作時でも1MHzあたり37.5µAという超低消費電力で動作します。また、待機時には3種類のモード(SNOOZEモード、HALTモード、STOPモード)が用意されており、中でもSTOPモードでは待機電流が1µA以下と極めて低いため、動作頻度が少ない用途ではボタン電池で数年間の駆動も可能です。
2.ポートフォリオ
マイコンの基本機能に加え、LCD表示や車載対応など幅広い用途で使える機能を備えた多彩な機種が揃っています。さらにそれらのマイコンに多数のパッケージバリエーションが用意されています。その数は1000製品以上にもなり、8~144ピンの各種パッケージ、1~768KBのフラッシュメモリサイズを展開しています。

その豊富なポートフォリオから、産業用、車載、社会インフラ、ヘルスケア、ホーム&オフィスなど多くのアプリケーションで利用されています。

汎用タイプ
スタンダード系
RL78G23、他
  汎用タイプ
コミュニケーション系
RL78G1C、他
  汎用タイプ
モータ系
RL78G1M、他
         
LCDタイプ
スタンダード系
RL78L12、他
  LCDタイプ
コミュニケーション系
RL78L1C、他
   
         
特化タイプ
ライティング系
RL78I1A
  特化タイプ
メータ系
RL78I1B、他
   
         
車載タイプ
汎用系
RL78F23、他
  車載タイプ
LCD
RL78D1A
   

図1 ポートフォリオ

 

RL78マイコンのペリフェラル

幅広いポートフォリオで様々なアプリケーションに対応すべく、以下のような多くのペリフェラル/機能を備えています。(主なものを抜粋)

  • 低消費電力(業界最高レベル)
  • 高精度内蔵オシレータ
  • AD、DA変換
  • 低電圧検出回路
  • 各種タイマ
  • 各種通信I/O(CAN、LIN、UART、SPI、I2C、USBなど)
  • 温度センサー
  • 不正メモリアクセス検出機能など、各種安全機能
  • LCDドライバー
  • その他多数。

 

ソフトウェア開発環境

RL78が様々なアプリケーションに使用できることは分かったけど、ソフトウェアの開発が効率良くできないと使えないよ、とお考えではないでしょうか。
RL78シリーズでは、無料でお試しができるソフトウェア統合開発環境と安価なオンチップデバッギングエミュレータが用意されています。安価でも機能は十分で組み込みソフトウェア開発に力を発揮してくれます。

  • ソフトウェア統合開発環境:e² studio
  • オンチップデバッギングエミュレータ:E2エミュレータLite

E2エミュレータLiteは、およそ11,000円程度で購入可能です。(2024/11時点)
しかも、e² studioにはスマートコンフィグレータという機能が搭載されていて、複雑なペリフェラルの設定を簡易なGUIを使用して選択、入力すれば自動でCソースコードを生成してくれるのです。あとは、アプリケーションから生成された関数を呼び出せば、各種ペリフェラルの機能を使用できます。

 

RL78でブラシレスDC(BLDC)モータを駆動させる。

RL78には、ルネサス社から多数のサンプルソフトウェアが提供されています。そのサンプルソフトウェアと上記のスマートコンフィグレータを使用して、BLDCモータ駆動アプリケーションを作成してみました。
サンプルソフトウェアは、ホールセンサでローター位置を検出し、120度通電制御を行うBLDCモータ駆動用のサンプルソフトウェアです。(下記)
今回サンプルソフトウェアで使用されているものとは異なるモータドライバICを使用したため、SPI通信処理などを追加する必要がありました。ここでスマートコンフィグレータを使用することで、ベースとなるSPI通信ハードウェア制御レイヤを簡単に作成することができ、BLDCモータを単純に回すだけであれば容易に作成できました。
実際に実用的なアプリケーションを開発する場合は回転数の変更機能、強制停止機能、安全対策など、色々な処理の追加が必要になり、それなりの知識と開発期間が必要になると思いますが、サンプルソフトウェアをひな形とし、スマートコンフィグレータの生成するハードウェア制御レイヤと組み合わせることで、スクラッチから開発するよりも開発期間を短縮することが可能です。
日本語のマニュアルが用意されていることも開発期間の短縮に寄与するのではないでしょうか。

  • サンプルコード:
    RL78/F14マイクロコントローラによるモータ制御ホールセンサ付きブラシレスDCモータの120度通電制御
  • 開発環境:
    CS+(e2 studioとは異なりますが、同じスマートコンフィグレータを搭載しています。)

図2 ハードウェアブロック図

図2 ハードウェアブロック図

今回は、RL78マイコンを紹介させていただきました。
当社はRL78マイコンを使用した開発経験が豊富です。試作、開発で何かお困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせください。

 

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