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IEEE802.11ah規格(Wi-Fi HaLow™(ワイファイ ヘイロー))とは? "HaLow"=暈(かさ・Halo) + 低電力(Low)の意味

みなさんこんにちは。高周波機器設計課の則信です。

みなさんは最近、国内で利用可能となったWi-Fi HaLow(以降、11ah)という規格はご存じでしょうか?
11ahはWi-Fiといっても、今までのWi-Fi通信規格の周波数(2.4GHz/5GHz帯)と異なり920MHz帯と低い周波数のWi-Fiとなっています。

通信規格に関してはWi-Fiの通信規格の話をご参照ください。

今回は、令和4年9月5日に電波法令改正があり新しく国内で使用可能となった「11ah」についてお話ししたいと思います。(当社の技適代行サービスはこちら

 

■ 「11ah」とは?

11ahは2.4GHz帯や5GHz帯を使用する既存のWi-Fi規格と周波数が異なり、920MHz帯を使用します。
920MHz帯を使用することによって広いエリアをカバーするとともに、限られた周波数を効率よく使うことができる無線LAN技術を用い、広域で高速な無線アクセスを実現しています。11ahは周波数割り当ての中でRFIDと同じ920MHz帯を利用します。(図1参照)

 

図 1 920MHz帯の周波数割当

出典:総務省ホームページ (https://www.tele.soumu.go.jp/resource/search/myuse/use/335m.pdf

 

■ 「11ah」の特徴

①Wi-Fiの伝送エリアの拡大、LPWAの他規格を上回る伝送速度

11ah はWi-Fiの規格ですが920MHz帯は自営のIoT向けシステムLPWA(Low Power Wide Area)の通信方式にも分類されており、最大20Mbpsの伝送速度と1km程度の伝送距離といったWi-FiとLPWAの中間的な特徴を持っています。

11ahは2.4GHz帯や5GHz帯を使用するWi-Fi規格に比べると周波数帯域幅が狭いので伝送速度は遅くなりますが、低い周波数帯を使用しているため、障害物を回りこんで伝搬しやすくなります。このため最大伝送距離は拡大します。表1に示すようにLPWA(LoRaWAN、Sigfox)に比べると伝送距離こそ短いですが、最大伝送速度は大きく向上します。

表1 11ah、LPWAの関係

*1 最大伝送距離は障害物がない場合に限る
*2 11ah推進協議会での検証実験で2Mbps@2.5kmを確認(最大距離は不明)

 

②低消費電力

LPWAと総称される低消費電力で広域通信を行うIoT機器向けの通信規格として期待されます。低消費電力に関しては、アクセスポイント(AP)と端末間でやり取りする制御信号の間隔を長くし、通信時のみに起動する間欠動作の機能を加えることで実現します。

 

③期待される使用用途拡大

上述した11ahの特徴から、今後、11ahの製品が開発されることで、従来のLPWAでは利用できなかったIPカメラでの映像伝送やセンサーデータの伝送などの用途にも広がることが期待されています。(図2、表2参照)。

 

図2 11ahへの置き換わり

 

表2 期待される使用用途

 

■ おわりに

今回は、日本で新しく利用可能となったWi-Fi規格(11ah)についてお話をさせていただきました。いかがだったでしょうか?

当社では、通信規格の知識や高周波回路設計の経験が豊富なエンジニアがおります。無線機器や高周波回路の設計でお困りのことがあれば、お気軽にお声がけください。

 

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