皆さんこんにちは。
東京事業所パッケージ設計課の横山です。
今回は、伝送線路解析に使用されるドライバとレシーバ特性を記述したI/O(Input/Output)モデルの『SPICEモデル』と『IBISモデル』についてご紹介します。
【SPICEモデルとは】(SPICE:Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)
SPICEモデルは、アナログ回路シミュレータ用モデルで、IC内部回路をトランジスタレベルで記述したI/Oモデルです。記述の中には、半導体プロセスの詳細情報も含まれています。
【IBISモデルとは】(IBIS:Input/Output Buffer Information Specification)
IBISモデルは、1990年代に入って規格化された伝送線路シミュレーション用モデルで、IC最終段のI/O特性部分とパッケージ特性部分を一体化して記述した総合モデルです。
SPICEモデルもIBISモデルも伝送線路解析では主流のモデルとなっていますが、上記のように、SPICEモデルは、IC内部の詳細情報が記述されているため、半導体メーカは競合他社への情報流出防止の観点から、秘密保持契約が必要であるなどモデル提供まで時間を要します。これでは複数社のICを搭載する電子機器メーカは開発をスムーズに進められないこともあり、半導体プロセスが競合他社へ漏れない新しいモデルとしてIBISモデルが登場しました。
使い分けイメージ
SPICEモデル:電子回路設計・検証
IBISモデル:ボード基板設計・検証
SPICEモデルとIBISモデルの主な特徴を表1に示します。
表1.SPICEモデルとIBISモデルの特徴
モデル名 |
主な特徴 |
SPICE |
|
IBIS |
|
伝送線路のシグナル・インテグリティ(SI)解析では、お客様の製品や解析用途に応じて、上記モデルの使い分けが重要になります。
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