Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

WTIは技術者不足を解決する「開発設計促進業」です

電源回路の比例制御と積分制御

みなさん、こんにちは。WTI 電源設計課の今井です。

前回は『電源回路とフィードバック制御』についてお話しさせていただきました。比例制御を用いると制御対象の特性のバラつきの影響を小さく抑えることができましたが、目標値と出力の間に誤差が残ってしまいました。

今回は、ある程度時間が経過した後の誤差(定常偏差)をできるだけ小さくする方法についてお話ししたいと思います。

【関連リンク】

 

比例制御では十分に時間が経過した後の出力は一定のままとなり、出力と目標値の間に誤差が残ります。

 

図1 比例制御の出力波形

 

もし、この誤差の時間積分に比例した値で出力を制御するとすればどうなるでしょうか。

誤差が長時間続く場合は誤差の時間積分はどんどん蓄積され、操作量が次第に大きくなります。その結果、出力と目標値の誤差が徐々に小さくなっていきます。

このような制御を積分制御と言います。

 

図2 積分制御の出力波形

 

しかし、積分制御だけでは誤差を蓄積するのに時間がかかってしまい、応答性が悪くなってしまいます。

そこで、前回の比例(Proportional)制御と今回の積分(Integral)制御を組み合わせることで、応答性を維持しつつ誤差を小さくできるように改良した制御がPI制御です。

 

図3 PI制御

 

図4 PI制御の出力波形

 

PI制御では誤差と応答性を改善することができますが、応答性を高くし過ぎると安定性が悪化し、目標値を行き過ぎるオーバーシュートや出力が目標値を挟んで上下するハンチングが発生する場合があります。応答性を高めつつ安定性を確保できる制御についてはまたの機会にお話ししたいと思います。

WTIには電源回路や制御理論に長けたエンジニアが多数在籍しております。
もし、電源回路の設計や評価などでお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。

 

【関連リンク】

 

電源関連ブログ:

 

WTIメールマガジンの配信(無料)

WTIエンジニアが携わる技術内容や日々の業務に関わる情報などを毎週お届けしているブログ記事は、メールマガジンでも購読できます。ブログのサンプル記事はこちら

WTIメールマガジンの登録・メールアドレス変更・配信停止はこちら

 

WTI動画リンクはこちら
WTIの技術、設備、設計/開発会社の使い方、採用関連など、幅広い内容を動画で解説しています。

 

 © 2005 Wave Technology Inc.