こんにちは。第二技術部 カスタム技術課の傳田(でんだ)です。
今回は、当社の標準製品として2022年度から本格的に販売を開始している「導通抵抗モニタリングシステム」をご紹介したいと思います。
抵抗モニタリングや導通モニタリングは、時間経過や温度変化によるサンプルの状態変化を抵抗値の変化から検出する、という目的で実施されます。当社の導通抵抗モニタリングシステムも、そういった用途を主に想定しています。
しかし、“抵抗測定を繰り返す”という単純な機能は汎用性が高く、導通抵抗モニタリングシステムには様々な利用方法が考えられると思います。以下の内容をご覧いただき、みなさまのお仕事のお役に立てる機会があれば幸いです。
1.導通抵抗モニタリングシステム(導体抵抗モニタリングシステム)とは
“導通抵抗モニタリングシステム”は、その名のとおり、導通抵抗をモニタリングするシステムです。測定開始からの経過時間に対して、その時間の温度と抵抗値を、定期的に自動で記録することができます。社内では、「導通抵抗モニタリングシステム」や「導体抵抗モニタリングシステム」などと呼んでいます。
大きな設備のイメージを持たれるかもしれませんが、導通抵抗モニタリングシステムは、19インチ規格のラックに構成機器を組み付けて一体化させた、ハンドメイドの測定環境となっております。
DMM(デジタルマルチメータ)とスイッチシステム(マルチプレクサ)から構成されるシンプルな抵抗測定システムではありますが、便利さや使いやすさを追求して、年々改良を重ねています。
2.導通抵抗モニタリングシステムの特長
システム外観
部品・材料接合部の導通信頼性評価を目的とした、モニタリングシステムです。
|
● マルチプレクサによる多CH測定
標準96CH(最大288CH)の多CHマルチプレクサを搭載することで、一度に大量のサンプルを測定できます。スイッチ部分はモジュール化されているので、CH数のカスタマイズも可能です。
● AC測定によりコンデンサの導通モニタリングが可能
オプションのLCRメータを搭載することで、AC(交流電源印加)での測定が可能です。AC測定では、コンデンサを含む経路の導通モニタリングを実施することができます。
3.導通抵抗モニタリングシステムでできること
● はんだ接合強度に対する信頼性試験ができます
サンプルの導通状態をモニタリングすることで、温度サイクルによるストレスに対する信頼性試験として、はんだ接合強度に対する信頼性試験を実施することができます。
基板実装した部品において、温度変化が原因で基板にひずみが生じるなどしたときに、はんだにクラックが発生する場合があります。クラックが発生すると、経路がオープンとなり、モニタリング中の抵抗値に異常が現れるため、測定抵抗値の変化を確認することでクラックの発生を検出することができます。
4.おわりに
当社導通抵抗モニタリングシステムについて、システムの概要,システムの特長、本システムでできることをご紹介させていただきました。より詳しい内容をお知りになられたい方や具体的なご活用をお考えの方は、下記からお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
【関連リンク】
WTIでは、お客様に役立つ情報をYouTubeとFacebookページでも紹介させていただいております。
でご覧ください。
WTIメールマガジンの配信(無料)
WTIエンジニアが携わる技術内容や日々の業務に関わる情報などを毎週お届けしているブログ記事は、メールマガジンでも購読できます。ブログのサンプル記事はこちら
WTIメールマガジンの登録・メールアドレス変更・配信停止はこちら
WTIの技術、設備、設計/開発会社の使い方、採用関連など、幅広い内容を動画で解説しています。